モードとインテリアの20世紀 【会期終了済】

 

Twitterに感想を書くと長い上にTL埋め芸人で迷惑になるので、展覧会感想はこちらにまとめることにしました!

 

モードとインテリアの20世紀@パナソニック汐留ミュージアム  ~11/23

 

実はパナ汐行くのは初めてだったのですが、1人でパナソニックショールームを通過しなきゃいけないのはつらかったですね……家買う/リフォームする甲斐性もなさそうな若い女がひとりでショールームっていう……

 

それはおいといて、そのパナソニックショールームの4階がミュージアムです。

三菱一号館オートクチュール展の時も思ったけど、客層がめっちゃマダムなんだなぁ……オートクチュール展のときは若い女の子も見たけど、今回はいませんでした。

 

会場内は割と暗くてせまい。作品リストに書き込みしてたら、スタッフさんがバインダー貸してくれてありがたかった。バインダーの貸し出しいいね、他の展覧会でもやってほしい。絵画の破損とかリスクでかそうだけど。小さいミュージアムだからできることなのかも?

 

展覧会の構成は明瞭で1900-1960年代までのファッションを4つのチャプターに分けて展示するというものでした。

1900-1919までがチャプター1、WW1前までで、いわゆるベルエポック。いままでのコルセットを使ったドレスから解放され、ファッションメディア(ファッション雑誌)が出てくる。展示されているドレスやファッション誌の図案に東洋趣味が出ているのが興味深かった。着物風のドレスや、イラストの背景に盆栽らしきものがあったり。全然東洋と西洋でミスマッチなはずなのに、それが逆に新鮮。

 

チャプター2は1920-1939。WW2まで。WW1終戦後のつかの間の平和は「狂乱の時代」を生み出すが、世界恐慌でまた逆戻り。ここで面白いのは、スカート丈の長さ。よく、「女性のスカート丈が景気を表す」なんて言うけど、この時代でも、世界恐慌前後でだいぶスカート丈が違う。恐慌後は長くなってる。それでも1938年のマドレーヌ・ヴィオネのイヴニングドレスは背中があいてるし(背中が開いたものが流行したらしい)、1936年のジャンヌ・ランヴァンの黒いドレスは、流れるような胸元から裾までの細身のドレスに、白いアップリケのボリュームスリーブで惚れ惚れするほど美しい。ボリュームスリーブ流行ってるし、普通に着たい。

 

1940-1959がチャプター3。ここは撮影OKゾーンがあった。WW2中はオートクチュールの本場パリが戦地となったために、既製服が発達していたアメリカやイギリスがモード発信地に。でもやっぱり見ていて楽しいのはWW2終結後の復活したメゾンのもの。とくに1953年のクリスチャン・ディオールのディナードレス「カラカス」はめっちゃ可愛かった……パフスリーブにウェストマークからのボリュームスカートが全てシフォン素材でおまけに真っ赤なバラのプリント……しかも裾はアシンメトリー!言うことなし!さすがディオール!!感動した……!同じ年代のディオールのスーツも出てたんだけど、とても女性的で、ラインが繊細。三菱一号館オートクチュール展では、シャネルのスーツが出てたのだけど、シャネルは「ハンサム」って感じだった。同じスーツでもメゾンのカラー出るな〜って感じ。

 

チャプター4は1960s。チャプター入ってすぐに森英恵の明るいピンクの着物風ホステスガウンがバーンってあって、森英恵すごい……これは確かに日本人が衝撃受けるんだから、西洋人には革命だろうな……ってなった。ジャポニスムというか、そういう〇〇趣味、っていう「完全に理解してないひとが違う文化への憧れだけで作成したもの」は数あれど、生粋の日本人が「西洋人の憧れ」であるものをオートクチュールに組み込んでしまう凄さ……革命だよ……。あとクレージュのビタミンオレンジのミニワンピース。かわいかったなー!素材がビニール製エナメルで、ミノルタ製カメラが小物で付いてるの。capsuleの「プラスチックガール」みたいなレトロフューチャーなかわいさが好きだから、このクレージュはたまらなかった。

 

番外編で3と4の間にスイムウェアとかテニスウェアとかあるんだけど、そこは割愛しました。

 

全体的に、ファッションというのは時代の影響を直に受けやすく、「戦争でいない男性の代りに女性の社会進出がすすむ」ということが、いかに女性のファッションの自由度を上げていたかが、歴史というストーリー制を持って展示されてて、とても見やすく、女性は強いな!って元気になる展覧会でした。

 


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